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薬剤師の健康アドバイス

何とかしたい肩こりに

肩のこる生活をしていませんか?

肩こりは、頸椎(けいつい)・肩関節の疾患の症状の1つとして起こる場合と、筋肉の疲労などによって起こる場合があります。肩こりの多くは病気とは関係ない筋肉の疲労で起こるとされ、原因として考えられるのは、(1)不自然な姿勢と (2)運動不足。猫背や下を向いてのデスクワーク、ストレスなどによって首回りの筋肉が緊張し、疲労します。運動不足で血行が悪い状態だと緊張がほぐれず、疲労が回復しないのです。

肩こりをやわらげる生活へチェンジ

肩こりは、そのままにしておくと頭痛などにもつながるとされていますが、正しい姿勢を心がける、肩回りの筋肉を積極的に使う、血行をよくするなどを生活の中で心がけることで、ある程度解消することが可能です。ぜひ、自分に合った対策を見つけましょう。
※肩こりがずっと治らない、急に症状が悪化したという場合は、内臓疾患などほかの病気が隠れていることもあります。ぜひ一度医師に診てもらいましょう。

こんな習慣も肩こりの原因に?

普段の動作のくせや、毎日の習慣が慢性的な肩こりの原因になっているかもしれません。それぞれ原因と対策を見てみましょう。

1日中デスクワークや手作業をしている

ずっと同じ姿勢を取るのは肩こりの大きな原因。仕事や家事で避けられないという方も多いと思いますが、1時間に1回くらいは休んで、肩や首を動かしましょう。首を左右交互、前後にゆっくりと倒す、両肩を上げる・下げる動作を行うだけでも、筋肉がほぐれます。

運動はほとんどしない

運動不足は全身の血行を悪くするため、肩こりの原因の1つ。筋肉や関節は使わないと年齢とともに衰えてしまうため、五十肩など肩関節の疾患が起こりやすくなるともいわれます。運動習慣は生活習慣病予防にも不可欠です。1日5分から始めてみませんか。

特定のスポーツをずっと続けている

ゴルフ・テニスなど一定方向の動きが多いスポーツでは、使う筋肉や関節が限られているため、筋肉や関節の使い方が偏る傾向が。また、筋肉の使い過ぎで疲労が慢性化すると、筋肉の血行が悪くなることもあります。下記の体操を取り入れ、筋肉をほぐしましょう。

近視や老眼で、字が読みにくい

字が読みにくいと、顔を本に近づける、下を向くなどして見やすい距離を保つため、ずっと同じ姿勢でいることになります。対象物を見ようと体が緊張するのも肩こり悪化の要因に。視力に合ったメガネを使い、肩に力を入れずに物を見られるようにしましょう。

体が冷えている

手足が冷たい、体温が35℃台など、体が冷えているのは血行が滞っている証拠です。冷えは肩こりだけでなく頭痛や腰痛など、さまざまな不調の原因になるといわれます。冷たい飲食物を控えるようにする、運動や入浴、重ね着など体を温める習慣を心がけましょう。

歩くとき、つい小走りになってしまう

小さな歩幅で速く歩くと、つい前かがみになり背中が曲がる傾向があります。反対に、大きな歩幅で歩こうとすると姿勢が崩れてしまいます。速過ぎず遅過ぎず、目線は1~2m先を見て歩くのが体にとって無理のない姿勢です。下記を参考に姿勢を見直しましょう。

 

肩こり解消 3つのポイント

寒いとつい肩に力が入ります。冬は肩が重たく感じる方も多いのではないでしょうか。下のポイントを参考に、普段の生活から肩こりを解消しましょう。

ポイント1:姿勢をチェック

首から背中にかけての骨は、ゆるやかなカーブを描いており、頭の重さを支えています。このカーブが崩れると、首や肩の回りに疲労が蓄積し、肩こりが起こります。

【カーブが崩れていないかチェック】

猫背はカーブを崩す要因の1つ。だらりとした立ち方・歩き方も肩甲骨の位置をずらしてしまいます。S字カーブが崩れない姿勢とは、胸を張って少しあごを引いた状態です。鏡を見て自分の姿勢をチェックしてみましょう。

【枕が高過ぎないかチェック】

寝るときの姿勢にも目を向けてみましょう。厚みのある枕は首のカーブを不自然に前に傾けてしまいます。寝具専門店などで相談してみましょう。高過ぎる枕に慣れていると、首の自然なカーブに沿う枕を低く感じるかもしれません。

【背中が沈んでいないかチェック】

体が沈み込むほどやわらかいベッドやふとんは、背中から首にかけてのカーブを崩す原因になります。背中の沈まない、硬めの寝具を使いましょう。寝具は毎日体をゆだねるもの。体に合っているかどうか、一度見直してみてはいかがでしょうか。

 

ポイント2:血行を促進

血行不良は、肩こりはもちろん、腰痛やひざの痛み、脚のむくみなどを悪化させてしまいます。全身に血を巡らせ、こうした不調をやわらげていきましょう。

【動いて血行を促進】

体のすみずみまで血液を巡らせるには、自ら体を動かすことが大切です。肩こりにおすすめの種目は、太極拳。ゆっくりとした動きで、無理なく筋肉や関節に負荷をかけることができます。ラジオ体操など、さまざまな動きが取り入れられた体操もよいでしょう。

【温めて血行を促進】

蒸しタオルなどで肩を温めるのも効果的。お風呂に入る場合は、あまり熱いお湯だと温度差によって血管が収縮するので、38℃前後のぬるめのお湯にゆっくりつかるようにしましょう。全身の血行が促進され、体を芯から温めることができます。

☆お風呂上がりで体が温まっているときや、蒸しタオルで肩を温めて下記の体操を行うとより効果的です。

 

ポイント3:肩甲骨を動かす

肩こり対策に重要なのが肩の動きの1/3を支えている「肩甲骨」。肩甲骨を動かすことで、血流がよくなる・筋肉の張りがやわらぐなどの効果が期待できます。

【ストレッチで肩甲骨を動かす】
回数のめやす・・・1つのストレッチにつき5~8秒間、3セット行うとよいでしょう。

 

(1)両腕を肩の高さに上げ、肘を伸ばしたまま、両腕をさらに10cmほど前へ。そのまま両腕を後ろに引き、肩甲骨を寄せる。

(2)両手を腰に置き両肘を後ろへ引っ張り胸を張る。そのまま両肘を前へ持って行き、肩甲骨を開く。

(3)両手を後頭部に当てて、両肘を後ろへ引き胸を張る。そのまま両肘を前へ動かし肩甲骨を開く。

(4)両手を後ろで組み、胸を張る。

(5)頭の上で両手を組み、左右に伸ばす。

(6)両肩関節、肘関節を90度に開き、壁に手のひらと肘をつける。そのまま腕全体で壁に大きな円を描く。左右両方に回す。

資料提供:呉竹メディカルクリニック

 

プロの施術でやわらげる

がんこな肩こりをやわらげるのは人の手。家族や友人同士で肩をもみ合うのも気持ちがほぐれます。ときには専門家の手にゆだねるのも方法です。

マッサージ

疲れてひどい肩こりのとき、強いマッサージが効きそうに思えます。しかし体調が万全ではないときに強い刺激を与えると「もみ返し」が起こることがあります。また、痛みを感じるほどのマッサージは体に負担がかかっている証拠。お店やマッサージ師に体の調子を伝え、相談しながら強さを選択しましょう。

鍼(はり)

鍼というと、「痛い」イメージを持つ方もいるかもしれませんが、鍼は肩こりや腰痛などに効果が期待できる、伝統的な治療法の1つです。皮膚や筋肉に刺激を与えることで、血管を拡張させ、こりや痛みを緩和させます。1回の施術で結果が出るとは限らないので、3~4回通って体調の変化を見てみることをおすすめします。

 

 

<取材協力>
呉竹メディカルクリニック 副院長 有沢治先生
呉竹医療専門学校 畠山博式先生

<参考文献>
『がんこな肩こり・首こりを治す知恵とコツ』(主婦の友社)
『ためしてガッテン』(4)(日本放送出版協会)
『きょうの健康』2011年6月号(日本放送出版協会)
日本整形外科学会ホームページ
タケダ健康サイト
セルフドクターネット

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