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健康お役立ち情報

口は健康の入口

歯と歯ぐきを大切に

おいしい食事を楽しむ、会話を楽しむ、歌うなど、口は健康な生活になくてはならないもの。特に「かむ」行為は、脳の血流量を増加させ、脳の機能を維持するためにも役立つといわれています。かむ力を支えるのは、歯と、歯ぐきなどの歯周組織。むし歯や歯周病は早めに治療し、歯を失った場合は入れ歯を入れるなどして、しっかりかめる状態を保ちましょう。今月は、歯を失う最も大きな原因といわれる歯周病の予防策をはじめ、「口の健康」を保つ生活習慣をご紹介します。

知っておきたい 口のトラブル予防策

歯周病

歯周病の原因は歯周病菌という細菌です。細菌が集まって固まってできた塊はプラークや歯垢(しこう)といわれ、放置すると歯ぐきなどの歯周組織をおびやかします。

【歯みがきに何分かけていますか?】

今の日本で歯みがきをしない人はほとんどいないといわれますが、歯周病を患う人は減っていません。毎日歯みがきをしていても、歯周病の原因菌を十分に取り切れていないと考えられます。特に歯みがきの時間が短い人は要注意。3ページの記事を参考に、ていねいに歯をみがきましょう。

【全身に影響する歯周病】

歯周病を長く患うと、さまざまな病気のリスクを高めます。歯周病との関連が指摘されているものには、脳卒中、心筋梗塞、誤嚥性(ごえんせい)肺炎、糖尿病、早産・低体重児出産などがあります。特に糖尿病と歯周病との関連は強く、歯周病の治療をすることで糖尿病が改善する人もいるといわれています。

【体のためにも早めの対応を】

このように、歯周病は早期発見、早期対応が不可欠。歯ぐきの変化は自分ではわかりづらいもの。少なくとも半年に一度は歯科で健診しましょう。

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むし歯
【食生活とフッ素で防ごう】

むし歯を予防するには、砂糖を摂り過ぎないようにし、唾液が出るようによくかんで食べることを心がけましょう。また、食べたあとは歯みがきをしてプラークを除去し、口の中を清潔に保つことが大切。フッ素入りの歯みがき剤を使うのも有効とされています。

口臭
【臭いの元を探ってみると…】

舌の上に付く、舌苔(ぜったい)という白っぽい苔のような物質は口臭の原因になります。1日1回舌ブラシで舌の表面を掃除するのが有効です。むし歯や歯周病、ドライマウス、鼻や副鼻腔の炎症も口臭の原因になります。糖尿病や呼吸器の病気などの場合もあります。舌の掃除をしても臭う場合は受診をおすすめします。

ドライマウス
【加齢やお薬によって起こることも】

加齢によって唾液の分泌が減ると口の中が乾きがちになります。また、飲むお薬によっては口の中が乾燥することもあります。口の中を清潔にするように心がけ、水分補給を意識して行いましょう。長く続く場合は歯科で人工唾液を処方してもらう方法もあります。

【口で呼吸していませんか】

鼻に疾患がある、かみ合わせに問題があるなどで、鼻ではなく口で呼吸している場合、口が常に開いているために口の中が乾きやすくなります。口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。原因を探り、対処しましょう。

いびき
【睡眠時無呼吸症候群に注意】

40~60代の男性に多いといわれる睡眠時無呼吸症候群。主に肥満や加齢によってのどが狭くなり、呼吸困難の状態に陥ります。眠ったつもりでも十分に睡眠がとれず、睡眠不足が続き、昼間に眠気に襲われ仕事や運転に支障が出ることも。心あたりがある場合は内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

歯科を選ぶポイント

歯のケアや治療についてわからないことを尋ねたとき、ていねいに説明してくれるかどうかが、まず大事なポイントです。また、歯周病の治療などで「歯を抜く」選択をするときは、特に慎重になりましょう。歯を抜かない治療の可能性がないのかどうか、他の歯科での意見(セカンドオピニオン)を集めるのも1つの方法です。

歯みがきQ&A

毎日の歯みがきでは、歯についた食べかすや、歯周病の原因となるプラークを除去することが大切です。

Q、 正しい歯みがきの方法とは?

A、 歯並びはひとりひとり異なるので、万能の歯みがき方法はありません。歯科で自分の歯に合う方法を相談するのが確実です。理想はすべての歯の表面・裏面に歯ブラシが直角に当たること。歯ブラシを縦横に動かし、それぞれの歯の表面がツルツルするまでみがきましょう。

(※デンタルフロスや歯間ブラシも併用するとより効果的)

Q、 歯ブラシを選ぶときのポイントは?

A、

  • 1)[形]
    柄がまっすぐで、毛の部分は長すぎず、2列6毛束くらいが標準的。 素材は豚毛などよりナイロン製を。変形しにくく、清潔に使えます。
  • 2)[毛のかたさ]
    やわらかすぎず、かたすぎない毛のものを選びましょう。炎症があるときは、やわらかい毛のものでやさしくみがきます。

Q、 毎食後みがけない場合は?

A、 歯みがきは、食事や間食をしたあと毎回行うのが理想的です。プラークは完全に除去されてから、再び増殖するのに24時間かかるといわれます。ゆっくり歯をみがけない場合、毎食後の歯みがきができない場合は、1日1回しっかり歯みがきするようにしましょう。

(※1日1回は、5~10分かけて歯みがきを)

Q、 歯みがき剤の選び方は?

A、 歯みがき剤をつけると、舌にピリピリした刺激を感じるため歯みがきの時間が短くなってしまいます。プラークを落とすためには歯みがき剤をつける必要はありません。しかし、歯の表面についた着色汚れを落としたり、口臭予防には歯みがき剤が役立ちます。仕上げに使うとよいでしょう。

(※プラークは歯ブラシで、着色汚れは歯みがき剤で)

Q、 歯が少なくみがきにくい場合は?

A、 毛束が小さい歯ブラシ(ワンタフトブラシ)や子ども用歯ブラシを使用したり、歯ブラシの毛を切って毛束を小さくするなどしてみがきやすい形に工夫しましょう。ぐらぐらしている状態なら、ガーゼを小さく切って歯の周りを拭く方法もあります。力が弱い場合や、介護の場合は電動歯ブラシが便利な場合もあります。なお、入れ歯は細菌が繁殖しやすいので、1日1回洗浄しましょう。

(※小さな歯ブラシだと、奥歯や歯の側面に届きます)

取材協力
東京歯科大学 名誉教授 歯学博士 下野正基先生
参考文献
『歯周病予防と口腔ケア』(下野正基監修/小学館)
『唾液による健康づくり』(下野正基、奥田克爾編著/ヒョーロン)
『歯科医療の最前線』(下野正基著/講談社)
『歯の健康学』(江藤一洋編/岩波書店)
『きょうの健康』2011年6月号「あなたも歯周病!?」、2010年6月号「全身をむしばむ歯周病」、2008年9月号「あなどれない歯周病の新対策」(日本放送出版協会)
イラストレーション
北原明日香

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