脳はまだまだ元気になる健康お役立ち情報 加齢とともに体の機能はどうしても低下していきます。脳も例外ではありません。「歳だから」と何もしないでいると、脳の働きは低下する一方です。しかしいくつになっても脳を積極的に使うことで、脳細胞は増え、細胞同士のネットワークも強化できることがわかってきました。脳の中でも特に鍛えたいのが前頭葉。思考や判断、記憶、計算などをつかさどる脳の司令塔ともいうべき部位です。前頭葉を活性化させ、脳をいつまでも元気に。まずは下の間違い探しからスタートしましょう。(答えは記事末尾にあります) 脳が喜ぶ健康習慣をはじめましょう 日々の生活習慣が脳の働きに大きく影響するといわれています。逆にいえば、脳が喜ぶ生活習慣を続ければプラスの効果が期待できるということ。今日から取り入れたい生活習慣をご紹介します。 脳が喜ぶ「頭のエクササイズ」 いわゆる“読み書きそろばん”が脳によいのです。●ポイントは「単純と継続」難しい問題にウンウンうなって解いていると、ストレスとなりかえって脳の働きを低下させることに。むしろ簡単な問題のほうが広い範囲の脳を刺激します。たまに長い時間鍛えるよりも、短時間でもよいので毎日行うことが大切。まさに“継続は力なり”です。 【書く】書き写しも文章を作るも○パソコンを使うようになって、字を書かなくなったという人は多いはず。意識して書く習慣を取り戻しましょう。本や新聞記事などを書き写す、日記や自分史を書いてみるなど、楽しみながら取り組みましょう。【音読】黙読よりも声に出して黙読では、脳は目で情報を捉え、処理するという働きだけ。音読だと目で捉えた情報を理解し、声に出し、聞きとるといういくつもの過程を踏むことになります。新聞記事や、絵本の読み聞かせなどから始めてみましょう。 【計算】いろんな数字に敏感に1〜2ケタの足し算、引き算、掛け算などの単純な計算で、脳は十分に鍛えられます。最高・最低気温の数字や電話帳に載っている電話番号を1ケタずつ足したり掛けたり。市販の大人用の計算ドリルを利用するのも手です。 脳が喜ぶ「生活習慣」 脳の大敵は慣れ。脳に刺激を与えることが活性化につながります。●「おっくう…」を少し頑張る脳がそれほど働かなくてもよい状態が慣れ。これを打破するには、おっくうがらずに何事にも積極的に取り組むことが大切です。例えば、あえていつもと違うことをしたり、不便な状況をつくったり、同時に複数のことをしたり。脳に新たな刺激を与えましょう。 【睡眠】睡眠中は記憶の時間外部からの情報がシャットダウンされた睡眠中は、脳(海馬)が記憶の情報を整理する時間帯です。加齢とともに睡眠は浅くなります。昼間しっかり体を動かす、ぬるめの湯にゆったり入るなど快眠を得る工夫を。【食事】栄養バランスと噛むこと健康づくりの基本は栄養バランスのよい食事。脳の健康にとっても同じこと。それに加え、しっかり噛むことも大切。脳の血流が増し、脳が活性化します。神経細胞を成長させる物質の分泌を促進するともいわれています。 【料理】指を使って「創る」指を使うといっても、指をクルクル回すような行為は脳への刺激は少なめ。その点、料理は材料を揃える、手順を考える、素材を調理するなど多くの工程をこなさなくてはいけません。しかも創る喜びも。手芸などもおすすめ。 脳が喜ぶ「運動」 体への負担が少ない有酸素運動で全身の血行を促進させましょう。●全身の血流をアップ運動は全身の血行をよくして、脳の血流を促進します。また、血圧の安定や糖尿病予防にもなり、脳の血管を守ることにも。さらに一説には、注意力や判断力アップにも効果があるとか。ただし、強い負荷のかかる運動はかえって膝や腰などを痛めかねないので注意しましょう。 【気楽に続けられるものを】特別な道具や場所が必要となると、その運動を長く続けるのは難しくなりがち。手軽にでき、しかも負荷の少ないウォーキングや水泳、あるいは最近見直されているラジオ体操といった有酸素運動が適しています。【転倒予防にも○】寝たきりになると、脳も含め身体の機能は一気に落ちてしまいます。寝たきりの一番の原因は転倒による骨折です。また、転倒で頭を強く打つこともあります。運動は転倒予防にも有効です。日ごろから筋力や筋肉の柔軟性を高めておきましょう。 <間違い探しの答え> 1.鳥がくわえているもの2.サンタのメガネ3.男の子の帽子4.靴下の向き5.猫の目6.ベルの数7.飾りのあり、なし8.リボンの色 <参考文献>『脳パワーを上げる「食」の本 オレンジページムック』(オレンジページ)『朝夕15分 死ぬまでボケない頭をつくる!』(須貝佑一著/すばる舎)『集中力と知力を育てる生活脳トレ』(篠原菊紀著/主婦の友社)『楽しみながら頭がよくなる「脳トレ」パズル』(児玉光雄著/三笠書房)『漢字簡単太郎8月号』(コスミック出版)<イラストレーション>橋本豊