体に暮らしに健康色

心身と「色」の関係を発見!

木々が芽吹き、花が咲き、色づく季節がやってきました。街中も、明るい色であふれています。四季を通じて、暮らしの中で私たちが目にするたくさんの色。実は、心や体に大きくかかわっていることがわかっています。今月は「色」から見た健康生活のヒントをご紹介します。

赤いちゃんちゃんこと60歳

還暦でおなじみの風習ですが、赤を用いる理由は「赤ちゃんに返る」「魔よけ」などの意味があると伝えられています。中国医学では年齢別に衰えやすい臓腑と対応する色彩の理論があり、それによると60歳頃は心臓の機能が弱りやすく「赤」を用いるとよいとされています。

青いトラックで記録が伸びる!?

世界陸上ベルリンでの会場となった競技場のトラックの色は青でした。青は集中力を高める色とされ、競技の記録が伸びたことにも一役買ったといわれています。この結果を受けて、国内の競技場でも青いトラックが採用され始めました。

病院はなぜ白いのか

医療機関の色といえば白。医師や薬剤師の多くが白衣を着るのは、白は汚れが目立ちやすく、衛生管理に適しているからです。しかし、最近では「安らぎ」「リラックス」などの効果のため、薄いピンクやグリーンなどのユニフォームを採用する施設も増えています。

日焼け 黒くなる仕組み

太陽光には、体内のビタミンDを合成する働きや、体内時計を整える作用があります。しかし、長時間太陽光を浴び続けるのは、皮膚の炎症のもとになるので避けましょう。肌の色が黒くなるのは、紫外線の影響が体外に及ばないようにする皮膚の機能なのです。

緑のヒーリング効果とは

森林浴が気持ちいいのは、樹木から心身のリラックス作用があるとされる物質「フィトンチッド」が放出されているから。緑色自体にも、安らぎをもたらす作用があるとされています。ゆっくり出かける時間がない方は、写真や絵画などで楽しむのも1つの方法です。

健康にも影響する紫外線

紫外線は、皮膚表面の日焼けのみならず、しみやしわ、免疫低下を起こしたり、白内障の発症に影響するとされています。紫外線の量は4月頃から増えるので、外出の際は、日焼け止めを塗る、袖・襟のついた服を着るなどして、しっかり対策しましょう。

元気になる色 役立つ色

好きな色の服を着て気持ちが明るくなったことや、花の色や、絵画の色に心を打たれた経験はどなたにもあるのではないでしょうか。
心身が求める色や、暮らしに合った色を取り入れて、毎日を快適に過ごしましょう。

(1)色のエネルギーとは?

【見えない振動が体に伝わる?】
私たちが普段見ている色は「可視光線」。色はそれぞれ違う長さの波長を持っており、目が波長を感知し脳に伝えることで色として認識するとされています。それぞれの波長は固有の振動数(周波数)を持っており、目だけでなく肌でもそれをとらえていると考えられています。
※目に見える色(可視光線)は、虹の七色のような赤から紫のグラデーション。赤に近づくほど波長が長く周波数は低く、紫に近づくほど波長が短く周波数は高くなります。

【それぞれの色に、それぞれの効果】
色によって、心身への作用はさまざま。ここでは代表的な7色について報告されている効果を紹介します。

赤・・・血液の循環を促す色。交感神経を刺激するといわれます。
青・・・すぐれた鎮静力を持ち、熱を冷やすといわれています。
黄・・・心を明るくし、知性を引き出す色。方向感覚を喚起します。
白・・・心身を浄化する色。思考力が増進するとされています。
黒・・・忍耐、エネルギー保持の色。心身を冷静沈着にするといわれます。
緑・・・安らぎが得られる色。精神的なストレスを和らげてくれます。
紫・・・自尊心を表す色。神経の鎮静にもよいとされます。

(2)自分に合った色を選ぶ

【体が求める色は何色?】
色を皮膚や臓器でも感じるとするなら、衣服や食べ物からも影響を受けていることになります。体の近くにある色が「しっくりこない」と感じているなら、それは体からのサイン。やせて見える、流行色だからという理由ではなく、体や心が求める色を選びましょう。

【中間色を取り入れよう】
色は大きく、暖色系、寒色系、中間色の3つに分けることができます。インテリア、ファッション、小物など用途に応じて、3つを上手に活用するのもよいでしょう。年齢や季節によって好みの色が変わるのも自然なこと。各色の作用を参考にしつつ、さまざまな色合いを楽しみましょう。

【自然の色を観察しよう】
自然の中は、さまざまな色彩にあふれています。その中で暮らすのが自然の姿。景色や絵画を楽しむことで、視野が広がりいつもと違う色のエネルギーを得られるかもしれません。健康作りのウォーキング、旅行・散策など、外を歩くときは色を意識してみませんか。

(3)色で快適な家作り インテリアに取り入れるヒント

【楽しく語り合う場所に】
家族や友人と語らう場には、明るい気持ちになれる暖色系の色が向いています。オレンジやイエローはコミュニケーションの色とも呼ばれているので、会話がはずみそうです。

【集中力がほしい場所に】
仕事や勉強をする部屋なら、心を落ち着かせ、集中力をサポートする青や緑などの寒色系がおすすめです。カーテンやデスクの下敷きなどで取り入れてみてはいかがでしょうか。

【リラックスする場所に】
寝室や、リビングルームなど、リラックスして過ごしたい場所には、鮮やか過ぎず暗過ぎない、好きな色を。暖色系で安らぐのも、寒色系で心を落ち着かせるのもよいでしょう。

(4)色で栄養チェック

【食事の色、偏っていませんか?】
普段食べる食材を、大きく5つの色に分け、栄養バランスをチェックする方法があります。色が偏らないように気をつけることで、さまざまな栄養素を食事に取り入れられます。黄や黒の食材は普段の食事で不足しがちなので、意識して摂りましょう。

▼赤
・牛肉、豚肉、鶏肉などの肉、マグロ、アジなど赤身の魚…タンパク質や脂質が豊富。
・トマト、ニンジンなどの赤い野菜…抗酸化作用を持つβカロテンが摂れる。

▼白
・ごはんやうどん、パンなどの主食…糖質は大切ですが、摂り過ぎに注意。
・牛乳などの乳製品…カルシウムが豊富。脂質も多いので摂り過ぎに注意。

▼黄
・大豆や、納豆などの大豆製品…さまざまな栄養素が摂れるすぐれた食品。
・みかんやグレープフルーツなどのかんきつ類…ビタミンCの補給に。

▼緑
・ブロッコリー、小松菜、ほうれん草、絹さや、ニラなど緑の野菜、キウイフルーツなどの果物…ビタミン・ミネラルが豊富。

▼黒
・わかめや昆布、のり、ひじきなどの海藻類、しめじ、しいたけなどのきのこ類…低エネルギーでビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。

出典:『食材5色バランス健康法』(杉本恵子著)

(5)色を代替医療に

【色と健康の研究成果】
東洋医学の理論を基に、症状に合わせた色を経絡のツボに貼付することで症状を和らげる「レインボー療法」は、代替医療のひとつ。安全性が高い療法として日本・中国・韓国を中心に試みが始まっており、保険診療として認められている国もあります。
※代替医療は、日本補完代替医療学会で、[現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称]と定義されています。鍼灸や指圧、アロマセラピーなどが含まれます。

色のつく言葉

【in the pink】イン・ザ・ピンク…英語の口語で「とても元気」の意味。後ろに「of health(オブ・ヘルス)」をつけることも。
【青息吐息】あおいきといき…弱ったときに出るためいき。また、そのためいきが出るような状態。
【十人十色】じゅうにんといろ…人の好みや思い、行動などはひとりひとりみんな違うという意味。

<取材協力>
国際レインボー医学学会 会長 レインボーセラピー 彩 CEO 小野田順亮先生

<参考文献>
『色彩が世界を癒す』(小野田順亮著/知道出版)
『光の医学』(ジェイコブ・リバーマン著/日本教文社)
『食材5色バランス健康法』(杉本恵子著/カザン)
『色彩の本質・色彩の秘密』(ルドルフ・シュタイナー著/イザラ書房)
『広辞苑 第五版』(岩波書店)

<イラストレーション>
寺山武士

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