緑黄色野菜のおいしい食べ方

旬を、おいしく

【緑黄色野菜はβカロテンが豊富】
体によいといわれる緑黄色野菜。その理由は、βカロテンが豊富に含まれているからです。βカロテンは体内でビタミンAに変わり、粘膜や皮膚の健康をサポート。日差しの強い夏は、紫外線ダメージから体を守るために積極的に摂りたい栄養素です。

【ビタミンA・C・Eの抗酸化作用】
トマトやパプリカなどの赤や黄色の野菜は、病気予防に役立つとされるリコピンやビタミンC・Eが豊富に含まれ、熟すことで増えていきます。ビタミンAとC・Eは同時に摂ることで、相乗効果により、体内の活性酸素を抑える「抗酸化作用」を発揮。皮膚の老化予防などに役立ちます。

【とれたて野菜には、栄養がたっぷり】
野菜は収穫から時間が経つと、味わいも栄養価も低下します。野菜を味わうには、出来合いの惣菜やジュースなどの加工品ではなく、新鮮な野菜を買って早めに食べるのがいちばん。「野菜は苦手」と思っている方も、新鮮なものならおいしく食べられるかもしれません。

たっぷり、おいしく

野菜の量は足りていますか?

健康な食生活のめやすとして、野菜は1日あたり350g以上摂取することがすすめられています※1。野菜の煮物や野菜カレーなどなら50~100g、付け合わせのサラダは20~30g。1日1、2回野菜料理を食べていても、350gには届きません。毎食たっぷりの野菜を食べるつもりで食生活を見直してみましょう。

「毎食野菜の小鉢を1つ以上、1日野菜メニューを5~6皿」が野菜350gに相当します。野菜の摂取目標量:350g以上(緑黄色野菜120g/淡色野菜230g)日本人の平均は約280g※2といわれています。

※1 健康日本21(厚生労働省)より ※2 平成22年度 国民健康栄養調査 より

バランスよく食べよう

野菜には、ビタミンのほか、便秘予防・血糖値上昇抑制に役立つ食物繊維や、余分な塩分の排出を促すカリウムなど、さまざまな栄養素が含まれています。1つの野菜に偏らず、旬の野菜をまんべんなく食べることで、野菜を健康に生かすことができます。 色の濃い野菜のほか、きゅうりやとうがんなど、旬の淡色野菜もあわせて取り入れましょう。

毎日、おいしく

【ワンポイント】βカロテンは、少量の油と一緒に
脂溶性ビタミンのβカロテンは、油と摂ることで吸収がよくなります。加熱しないで使う場合は、えごま油、亜麻仁油、ナッツ油などαリノレン酸を豊富に含む油を、加熱する場合はオリーブ油などがおすすめです。

【ワンポイント】ネバネバはゆで汁ごと食べる
ネバネバを作るペクチンなどの成分は、水に溶けやすい水溶性食物繊維。スープやみそ汁なら溶け出した栄養も摂れ、ネバネバも気にならなくなります。ゆでる場合はさっと短時間にしましょう。

【ワンポイント】甘いものでは疲れはとれない!?
そうめんやパンのみの食事が多い、甘いお菓子を多く食べるなどの食生活では、栄養が糖質に偏りがちに。糖質が上手にエネルギーに変わらず、疲労が回復しにくくなります。ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取しましょう。

毎日おいしく緑黄色野菜を召し上がっていただくための4つのレシピをご紹介しています。

塩麹で野菜のうまみがアップ

○調理時間:15分
○エネルギー:約110kcal(1人分)
○塩分量:約1.3g(1人分)

βカロテンやビタミンCが豊富なパセリと、強い抗酸化作用を持つとされるリコピンを豊富に含むトマト。話題の塩麹と、αリノレン酸が豊富なえごま油で作るドレッシングで、たっぷりいただきましょう。αリノレン酸は動脈硬化予防やアレルギー症状の緩和に役立つとされています。

■材料(2人分)

パセリ…1束(4〜5枝)
トマト…大1個
玉ネギ…1/2個
雑穀…大さじ2

(ドレッシング)
塩麹…大さじ1
レモン汁…大さじ1
えごま油…小さじ1
コショウ…少々

■作り方

1.パセリは洗って葉の部分を茎からはずす。トマトは皮をむいて1.5cm角に、玉ネギは粗みじんに切る。
2.雑穀は10分ほどゆでて水気を切って冷やしておく。
3.ドレッシングの材料をすべてボールに入れてよく混ぜる。
4.1,2を器に盛り、3をかける。

夏の胃にやさしいネバネバ成分

○調理時間:5分
○エネルギー:約60kcal(1人分)
○塩分量:約0.9g(1人分)

オクラやモロヘイヤのネバネバ成分には胃の粘膜を守る働きがあり、胃もたれの予防に効果が期待できます。さらに血糖値の上昇抑制作用、悪玉コレステロールを下げる作用なども注目されています。モロヘイヤはビタミンA・C・Eのほか、カルシウムやカリウムも豊富です。

■材料(2人分)

モロヘイヤ…1把
オクラ…4本
トマト…1個
だし汁…1.5カップ
しょうゆ…小さじ1
酒…大さじ1
酢…適宜

■作り方

1.モロヘイヤは3cm長さ、オクラは5mm厚さの輪切り、トマトはざく切りにする。
2.鍋にだし汁を入れて沸騰したら(1)の野菜を加えて2~3分煮る。
3.モロヘイヤに火が通ったらしょうゆ、酒を加えてひと煮立ちさせる。好みで酢を大さじ1~2程度加えても。

疲労回復にうれしいメニュー

○調理時間:15分
○エネルギー:約423kcal(1人分)
○塩分量:約1.1g(1人分)

豚肉やニンニクの芽には、糖質の代謝を促し疲労回復を助けるビタミンB群が豊富。玉ネギに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収効率を高めてくれるので、一緒に摂ると効果的です。夏バテの原因の1つは栄養が偏ること。疲れたときこそ栄養バランスを意識しましょう。

■材料(2人分)

豚ひき肉…100g
ニンニクの芽…1束(5〜6本)
玉ネギ…1/2個
パプリカ…1/2個
みそ…大さじ1
酒…大さじ1
塩、コショウ…各少々
ごはん…茶碗2杯

■作り方

1.ニンニクの芽は5mmの輪切り、玉ネギとパプリカは粗みじんに切る。
2.玉ネギをフライパンでよく炒め、薄く色づいてきたらニンニクの芽、パプリカ、豚ひき肉を加えて豚ひき肉に火が通るまで炒める。
3.みそを酒で溶きのばして加え混ぜ、水分が飛んだら塩、コショウで味を調える。
4.丼にごはんをよそい、3の肉みそをたっぷりのせる。好みで山椒を振ったり刻みのりをちらしても。

野菜が苦手でも食べられる

○調理時間:30分
○エネルギー:約280kcal(1人分)
○塩分量:約1.2g(1人分)

βカロテンの量がトップクラスのにんじんをコロッケに。フライパンで焼けば少量の油で作れます。スパイシーなカレー味は夏にぴったりで、野菜が苦手な方やお子さまにもおすすめです。βカロテンは、加熱しても壊れにくいので、さまざまな料理に応用できます。

■材料(2人分)

にんじん…1本
じゃがいも…1個
パセリ…1枝
豚ひき肉…50g
カレー粉…大さじ1
塩、コショウ…適宜
小麦粉…大さじ2
卵…1個
パン粉…1カップ
サラダ油…大さじ1

■作り方

1.にんじんとじゃがいもは皮をむいて火が通りやすいように5〜7mm厚さに切る。
2.鍋に湯を沸騰させ塩1つまみを加えてにんじんとじゃがいもをやわらかくなるまでゆでる。
3.ゆでている間に豚ひき肉をフライパンで炒めて軽く塩、コショウしておく。
4.にんじんとじゃがいもに火が通ったらボールに取ってすりこぎなどでつぶし、みじん切りにしたパセリと3の豚ひき肉、カレー粉を加えて混ぜ合わせる。
5.4を4等分して小判型にし、小麦粉、とき卵をつけてパン粉をまぶしつける。
6.フライパンに大さじ1のサラダ油を熱し5を中火〜弱火で両面焼く。

安全に、おいしく

一般的に、有機野菜や無農薬野菜は、化学肥料を使った野菜よりも栄養価が高く、日持ちもよいといわれます。野菜を買うときは、野菜の表示を参考にしてみましょう。

〈有機野菜〉
「有機JASマーク」のついた野菜は、農薬や化学肥料に頼らず、自然の力で生産された野菜。農林水産省の定めた基準をクリアした事業者、生産者だけがつけられる品質の証です。なお、このマークがないと、有機、オーガニックなどを名乗ることは禁止されています。

〈無農薬野菜〉
一方で、「有機JASマーク」認証を得るには時間やお金がかかり、個人の生産者には難しいという現実も。そのため、無農薬、減農薬という表現で、安全な野菜を生産・出荷する農家も数多くあります。

●放射性物質と野菜
市場から出荷され店頭に並ぶ野菜は、放射性物質濃度が基準値を超えていないか審査を通っているため、お店で買う野菜について特別な調理法を行う必要はないとされています。家庭菜園の野菜は、周辺地域で生産・出荷されている野菜の放射性物質量と似ていると考えられています。地域で出荷制限や摂取制限が行われていないかを確認しておきましょう。

どうしても気になる方は、野菜を洗う、煮て煮汁を捨てる、皮はむき、外の葉を捨てるなど、放射性物質の汚染の低減が期待できるとされる方法をお試しください。

地元産を、おいしく

地域でどんな野菜がとれているのか、ご存じですか? 最近よく耳にする「地産地消」について、千葉の郷土料理店で伺いました。

●豊かな食生活は自然であること
「食の勉強をすればするほど、“住んでいるところのものを食べると、健康に生きていける”という昔からの教えはもっともだと感じます」。そう語るのは、千寿恵 オーナーの佐野千寿恵さん。 「流通が発達して世界中の食べ物が手に入る時代ですが、本質的な豊かさとは違うことをみなさん気づいています。今田舎のものが見直されているのは、自然への回帰。本当に体にいいものを求めていっているのではないでしょうか」

●土壌に合う野菜は美しい
自家菜園では無農薬野菜を栽培。「お店で買うもののような見た目にならないことも。でも、土壌に合った野菜はきれいな形にできるんですよ。また、手を加えず自然に育つもののほうがおいしい。千葉なら生産量の多い、にんじん、大根、玉ネギなど……野菜にとって過ごしやすいんでしょうね」。家庭菜園にチャレンジするなら、地域の野菜を観察することも大事なようです。

<取材協力>
日本野菜ソムリエ協会
管理栄養士 野菜ソムリエ ビューティーフードトレーナー 岸村康代さん
「千寿恵」佐野千寿恵さん
ロケーションリサーチ株式会社

<参考文献>
『きょうの健康』「旬の野菜暦」2011年9月号、2010年6月号、2009年7月号(日本放送出版協会)
『2006-2007改訂新版 健康・栄養食品事典』(東洋医学舎)
<イラストレーション>
木暮雅子

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