声を出す、言葉を使う、指先を使うという日常の動作は、実は脳の高度な機能によってなされています。日常的にこうした動作を積極的に行い、脳を活性化させましょう。
●『食』和食+肉・魚が脳のごちそう
栄養バランスにすぐれた和食は、脳の健康にも最適です。和食を基本に、脳のエネルギー源となる炭水化物と、脳を作るたんぱく質や脂質が不足しないようにしましょう。脂質では、青魚に多く含まれるDHA、肉に含まれるアラキドン酸が脳の老化予防に効果的とされています。
[主食]ごはんやパン、めんなど炭水化物でエネルギー補給
[主菜]魚介類、肉類、卵、大豆製品でたんぱく質を摂取
[副菜]野菜のおかずで、脳の老化を防ぐビタミン類を摂取
●『作』料理をほめられるのは、脳にも効果的
脳によいのは「何かを計画し、実行し、評価をもらう」というプロセス。これらをすべて体験できるのが料理です。献立を決めて、材料や手順を想定し、栄養バランスや彩りを工夫し、作り、「おいしい」と評価されることで、脳の広い範囲が刺激されます。毎日の料理も脳の活性化に役立つのです。
●『動』自転車なら、体も脳も鍛えられる
健康作りに欠かせない運動ですが、「脳の活性化」という点からは自転車も効果的です。自転車の運転は全身運動であるうえ、周りの情報を認知する、素早く正確な状況判断を行うなど、脳全体を使います。なかなか運動ができないという方は、生活に自転車を取り入れてみてはいかがでしょうか。
●『動』手軽な趣味で手先を動かす
趣味を持ち、気分転換することは、日々、脳に蓄積されるストレスを解消するのに効果的です。ぬり絵や折り紙、編み物、手芸、工芸など、好きなことなら何でも、何種類でもかまいません。ずっと続けられるよう、準備が簡単なもの、根を詰め過ぎずにできるものがよいでしょう。
●『楽』人と交流しながら、いきいき暮らす
コミュニケーションは、言葉を使って話すほか、言葉遣いや態度に気を遣うなど、非常に頭を使う行為。また、新しい情報による刺激や、気持ちが通い合う喜びもあります。趣味や地域の集まりに参加したり、団らん、スポーツなどを楽しみ、充実した毎日を過ごすことは脳の老化予防につながります。
●『書』手書きで気持ちを伝える
「読む」「書く」という行為は、人間だけのもの。手で文字を書くことは、感情や個性の表現でもあります。日本人は特に学校教育で書いて学習する機会が多く、書く訓練は十分になされています。その機能を退化させないためにも、手紙や書道や俳句など、楽しくできる「手書き」を習慣にしてみませんか。
●『嗅』アロマテラピーでリラックス
香りは、嗅ぐことで脳に直接作用し、心身の安定に効果的とされています。エッセンシャルオイルをアロマポットでたいたり、水で薄めてルームスプレーにしたり、塩と混ぜてバスソルト(塩大さじ1に対しエッセンシャルオイル数滴)にしてお風呂に入れるなど、お好みの方法でお試しください。
○香りミニガイド
[ストレスを和らげてくれるやさしい香り]ラベンダー・ゼラニウム
[リフレッシュできるさっぱりした香り]スイートオレンジ・ジュニパー
[集中力を高めるスッキリした香り]ローズマリー・ペパーミント
●『眠』眠りのリズムを大切に
脳の健康には、規則正しい睡眠も大切です。睡眠不足や昼夜逆転の生活は、心身の病気の原因にもなるので注意が必要です。眠りにつく時間がばらばらになってしまう場合は、朝起きる時間だけでも一定にしましょう。朝の光には脳内の時計を調整する働きがあり、リズムを整えてくれます。