笑って暮らそう

顔が笑うと、体も喜ぶ

体と心を元気にするのは「笑顔」。その健康効果は、医学的にも証明されています。

血糖値 むすっとしてると 上がるかも?

糖尿病を患う人に退屈な講演を聴いてもらったところ血糖値が上昇し、笑わせると血糖値が正常範囲に低下したという報告があります。このことから、笑いは血糖値の正常化に影響していると考えられています。

赤鬼も 病気も逃げる いい笑顔

体内には免疫機能が備わており、がん細胞などを攻撃しています。白血球の中の成分であるリンパ球の一種、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)もその1つ。そして、笑うことでこのNK細胞の働きが短期間で活性化するといわれています。

うれしいな 笑う門には 幸がくる

笑うことで、幸福を感じさせるといわれる物質のエンドルフィンやドーパミン、幸せホルモンとよばれる脳内の神経伝達物質セロトニンが放出されます。セロトニンは不足すると、うつ病などの心の病気になりやすいといわれています。

走るより 笑って運動 楽しいな

腹を抱えて大笑いしたあとは、運動したあとのような爽快感が得られます。横隔膜を激しく上下させ、腹筋も動き、全身運動となり、血行が促進します。笑うと顔の表情筋が活発に動き、顔の血行も良くなります。

いつだって 笑い上手が 生き上手

ストレスを感じると分泌されるコルチゾールやクロモグラニンAといった物質が、笑うことで減ることがわかっています。笑いは今すぐできるストレス解消法です。最近笑っていないと思う方、ぜひ笑う生活を始めましょう。

脳だって あなたの笑顔を 求めてる

笑うと脳の血流量が増加することもわかっています。脳には、全身の約40%の血液量が必要といわれ、不足すると脳が委縮してしまいます。笑うと脳に十分な血液が行き渡るので、脳の機能を保つことにもつながるのです。

さぁ、笑う生活へ!

笑わない人よりも笑う人のほうが傷の治りが早いというデータもあるほど、笑顔と健康は密接につながっています。いつまでも明るく健康に暮らすために、笑いをもっと取り入れてみませんか。

(1)寄り添う 【自分の心、相手の心を受け止めて】
まずはほっとできる環境作りから始めましょう。つらい状況の人には「大変ですね」と寄り添えば、その人はほっとするでしょう。自分がつらいときは、その感情を抑えずに泣くことも大切です。体にとってよい「笑い」は、必ずしも「ワッハッハ」という大笑いとは限りません。相手の心や自分の心に寄り添うことが、笑顔の始まりです。

(2)リラックス 【脳にとってストレスのない笑いとは?】
脳の中で扁桃体という部分が「快」「不快」をチェックしています。快を感じると副交感神経が優位になりリラックスした状態に、不快を感じると反対に交感神経が高まりストレス状態へと導かれます。笑いは笑いでも、コントで人をたたくなどのシーンがあると、扁桃体が「不快」を感じ取ってしまいます。平和な笑いを取り入れるようにしましょう。

(3)効率よく笑う 【笑いのネタを探してみると…】
「これを見れば笑える」という本やDVD、マンガ、物などを手元に置いておくのは笑いへの近道。落ち込んだとき、つらいときなどに力を借りることができます。映画や漫才を見に行ったり、趣味の集まりなどに参加して、積極的に人と交流することもおすすめです。面白かったことを誰かに伝えれば、どんどん笑いの輪が広がっていきます。

(4)元気になる 【活動範囲を広げて、もっと笑おう】
笑いの健康への効果は表紙でもお伝えした通り。笑うことで免疫機能が向上するので、体が元気になり、より活動的に過ごすことができます。健康作りのための運動も、楽しみながら行うほうが長続きします。そして人と楽しく話すことは、脳の老化予防にもなります。楽しく過ごすことは、一番の健康法といえそうです。

楽しい毎日へのヒント

最近、感動したこと、大笑いしたことはありましたか? 喜びを感じる生活は、自分次第で作れます。ぜひ、こんなことを心がけてみてください。

自分をもっと好きになる
自分のよいところを5つ書き出してみましょう。なんだか気持ちが明るくなります。
次は身近な人のよいところを探してみましょう。

とりあえず笑う
周りに笑いの「ネタ」を探せない場合は、形から入ってみる方法も。笑顔で会話をするのもよいでしょう。1人でも笑うことはできます。笑い声を出し、音楽を聴いて体を動かしてみると、幸せホルモンのセロトニンが増えるといわれています。

思い出して笑う
楽しい思い出を誰かと話すのもよいものです。また、大笑いした経験や心が和むエピソードを思い出し、紙に書いてみましょう。これからよい思い出を作るのも自分次第。思い出ができたつもりで願望を書くと、現実になるかもしれません。

前向きな話をする
誰かと会話をするとき、愚痴や、ネガティブな話題になっていませんか? 使う言葉は自律神経の働きを左右するといわれます。ポジティブな言葉、心が温まる話題なら、体もリラックスしていきます。ぜひ習慣にしましょう。

感性を磨く
笑う生活や感動する生活も、トレーニング次第。季節の変化や身近な親切、もっとささいなことにも感動できるようになります。認知症の症状の1つに感動がなくなることがあるともいわれます。いつまでも感動する心を忘れずにいたいですね。

笑いと食べ物

喜びや驚きなど、感動をつかさどるのは脳です。脳の健康を保つには、バランスのよい食事で栄養を摂ることも欠かせません。

脳のために摂りたい栄養素
【鉄分】
…全身に酸素を運ぶ栄養素。不足すると意欲低下や、寝起きの悪さなどにつながるといわれています。

【ビタミンB1】…脳・神経の働きを正常に保つとされます。炭水化物をたくさん摂る人は消費されやすい栄養素です。

【ビタミンB6】…セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成を促進します。

甘い物はほどほどに
糖質は脳のエネルギー源とされていますが、摂り過ぎは禁物です。糖質はごはんなどの穀物から摂るようにし、よくかむことと、食物繊維を一緒に摂ることを心がけましょう。同じ糖質でも、ジュースなどに含まれる「果糖ブドウ糖液糖」や白砂糖は、血糖値を急上昇させ、肥満の原因にもなりますから気をつけましょう。

<取材協力>
日本医科大学医療管理学 癒しの環境研究会世話人代表 高柳和江先生

<参考文献>
『笑いの医力』(高柳和江著/西村書店)
『笑って長生き』(昇幹夫著/大月書店)
『大阪発笑いのススメ』(大阪府生活文化部文化・スポーツ振興室文化課)
『治療』Vol.82, No.12「笑いで脳血流量が増加 中島英雄」(南山堂)
『人間科学研究』第29号 2007年「自律神経系に及ぼす自発的笑いの実験的検討 石原俊一」(文教大学人間科学部)
『栄養素の通になる 第2版』(上西一弘著/女子栄養大学出版部)
『心の病と低血糖症』(大沢博著/第三文明社)
『心療内科に行く前に食事を変えなさい』(姫野友美著/青春出版社)

<イラストレーション>
高田真弓

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