PMSは生理が始まる3~10日ほど前に現れる体や心の不調をいいます。原因ははっきりとは分かっていません。一説には生理周期半ばあたりの排卵期を過ぎると2つの女性ホルモンの分泌量が急激に変化し、脳の中枢(視床下部)がそれに対応しきれなくなることで、PMSのさまざまな不調が起こるのではないかと考えられています。
視床下部は自律神経の中枢でもあるため、視床下部が対応しきれなくなると自律神経が乱れ、血流が悪くなって頭痛や肩こりが起きたり、腸の働きが乱れて便秘や下痢をもたらします。視床下部は食欲や五感にも関わっていることから、食欲が異常に増したり、においに敏感になったりします。感情を司る中枢とも隣り合っているため、イライラや憂うつ、無気力、不安などの精神症状も現れます。
また、排卵後の黄体期に分泌される女性ホルモンには水分をため込む働きがあるため、むくみが生じたり、倦怠感を覚えたりすることもあります。症状の現れ方や程度にはかなり個人差がありますが、複数の症状が重なって現れるケースがほとんどです。