一方、男性ホルモンの分泌は20歳代をピークに低下していきますが、その低下の仕方は一様ではありません。比較的穏やかに下がる人もいれば、ある年齢を境に急に下がる人もいます。そのため、女性の更年期障害が閉経前後の45~55歳ごろに多く発症するのに対し、男性の場合は、40歳代~60歳代前半と幅広いのが特徴です。
症状は、のぼせやほてり、発汗、不眠など、女性の更年期症状と同じようなものがみられます。男性ホルモンは筋肉や骨を強くする、性機能を維持する、判断力や理解力などの認知機能を高める、肥満を抑えるといった働きを持つことから、男性の更年期障害では、筋力低下や性機能低下、記憶力の低下、肥満といった症状が起こることもあります。女性と同じく、特段身体的な異常はないものの、不安やイライラ、抑うつなど、精神的に不安定な状態になることもあります。