腸内環境と健康の深い関係

新型コロナ感染対策の一つが免疫力を高めることです。そこで注目されているのが“腸”です。腸は食べた物を消化吸収するだけでなく、全身の免疫を司るという重要な役割を担っています。腸内環境を整え、腸の健康を保ちましょう。

善玉菌と悪玉菌、日和見菌のバランスが大切

日本人の腸は、成人で10m近くもの長さがあり、表面積はテニスコート1.5面分にもなります。そこには、1000種類、100兆個以上ともいわれる腸内細菌が生息しています。
腸内細菌は、人に良い影響を与える善玉菌と、反対に悪い影響を与える悪玉菌、善玉菌と悪玉菌のうち優勢なほうにつく日和見菌の3タイプに大別されます。重要なのは、これら3つの腸内細菌のバランスです。悪玉菌がゼロであっても、良い腸内環境とはいえません。
理想的な腸内環境のバランスは「善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%」です。腸内環境のバランスが崩れると、便秘や下痢が起こりやすくなります。

腸には免疫細胞が大集結している

もう一つ、忘れてはならないのは、腸内環境のバランスの乱れは免疫力に影響するということ。腸は免疫系最大の器官なのです。
腸には、食べ物と一緒に体に都合の悪い病原菌やウイルスなどが進入してくる可能性があります。そのような外敵を攻撃し排除するために、腸には免疫細胞が多く集まっています。しかも、ビフィズス菌などの善玉菌は免疫を増強する因子を持ち、そのことが腸内の免疫細胞を刺激し、活性化することがわかっています。
免疫力を高く保つことができれば、ウイルスが体内に入ってきてもやっつけることができます。こうした外敵に打ち勝つためにも、腸内環境のバランスを整えることが大切です。

ビフィズス菌や食物繊維を積極的に摂る

腸内環境のバランスを整えるポイントは善玉菌を増やすことです。そのためにビフィズス菌や乳酸菌など、またそのエサとなるオリゴ糖や食物繊維などを積極的に摂りましょう。食物繊維はかさを増して腸のぜん動運動を促す不溶性と、栄養素の吸収を緩やかにし血糖値上昇を抑制する水溶性をバランスよく摂りましょう。
また、適度な運動や十分な睡眠、朝食を欠かさず食べるといった生活習慣も腸内環境を整えるうえで重要です。
なお、腹痛やお腹の不快感、便秘や下痢などが数ヵ月以上続く場合は、過敏性腸症候群など、何らかの病気が隠れていることがあるので医療機関を受診しましょう。そのほか、腸内環境についてわからないことがあるときは気軽に薬剤師におたずねください。

イラストレーション:堺直子

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