タバコの煙にさまざまな有害物質が含まれていることは周知のとおりです。ニコチンやタール、アセトン、ブタン、ヒ素、カドミウム、一酸化炭素など、その数は200種類以上にも及びます。こうした有害物質は、喫煙者が吸い込む主流煙よりも、タバコの先から立ちのぼる副流煙のほうに高濃度に含まれることがわかっています。
副流煙や喫煙者の息から出る呼出煙を知らないうちに吸ってしまうことを受動喫煙といいます。家族に喫煙者がいたり、喫煙可能なお店で働いていたりすると、受動喫煙にさらされる危険が高くなります。こうした人は肺がんや脳卒中、虚血性心疾患などのリスクが高くなることが明らかになっています。また、受動喫煙で喘息の人が発作を起こすこともあります。
つまり、タバコを吸うことは本人だけの問題ではなく、ほかの人の健康も損ないかねない行為と認識しておく必要があります。